2016年05月23日

福岡の自学主義

 今日の全国地方教育史学会では司会を勤めさせていただいた。常盤大学の鈴木和正さんの「明治末期における山口県公立小学校の自学主義教育」が興味を惹いた。山口から先進地福岡の自学主義教育を視察に来ているらしいのだ。
 明治41年に筑豊の炭鉱主等が谷本富を呼んで講演させたのがきっかけで穂波郡あたりに入り込んだらしい。ならばとて、福岡県教育会会報をめくってみた。不幸なことに明治41年の会報は119号(9月15日号)からしかない。100号から118号までが欠けている。しかし、120号(9月28日臨時発行号)は「総会提出 受賞論文」の特集になっており、そこに穂波高等小学校による「自治自学に基ける新教育方案」という論文が掲載されていた。これはすぐに鈴木氏に進呈した。さらに他の号にも目を通してみる。125号に「嘉穂郡教育品展覧会を見る」という記事があり、続けてこの「展覧会を見た序で」に「嘉穂郡穂波高等小学校を観る」という記事があった。126号には「元福岡師範学校訓導岡千賀衛による「自学輔導法大綱」が載っている。128号に韓国京城第一小学校矢野国太郎鳴る人物が「予は未だ一回も谷本博士の著書を通読したことのないなまけものだが、・・・」という書き出しで始まる「自学輔導(?)の実験」なる文章が載っている。この矢野国太郎なる御仁はしばしば本誌に寄稿しており、福岡県教育会との関係が気になるところである。しかも「自学」にこだわっているところが他の記事からも窺えるのだ。
posted by 新谷恭明 at 01:02| Comment(1) | 研究ノート | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あの「新教育」を明治末に日本にはじめて紹介した谷本富が明治41年に福岡に呼ばれて講演していたのですか!当時の福岡は「先取」の気概があったのですね。すごい!谷本富が留学先からもって帰った「新教育」(もちろん教授法としての)に目をつけて、数年のうちに呼んだことになりますね。一体誰がそんな目の付け所を持っていて、呼んだのか興味のあるところです!
Posted by 久米祐子 at 2016年05月23日 21:42
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