2016年05月23日

こういう問題は現在ならまずいだろうな

明治39年施行福岡県小学校教員試験検定問題に次のようなのがあった。科目は算術科。
(筆算)男女合せて三十人の月給総額拾六円にして其日給は男は六拾銭女は四拾銭なりと云ふ。今男の日給を五銭増し女の日給を五銭減らすときは日給総計何程となるか。
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明治39年の採用試験問題。

明治39年施行福岡県小学校教員(本科正教員)試験検定問題

   △修身科
一、恭倹の美徳たる所以を説明せよ
二、家庭的道徳と国家的道徳とを述べよ
三、帝国議会の組織を述べよ
△教育科
(原理)
一、生活上の高尚なる興味を列挙し且教育に於て特に注意すべきものを詳述せよ
二、不良なる衝動及欲望を抑制する方法
三、共同教育の利害
四、左の用語の区別を明かにせよ
イ、論理的概念と心理的概念と
ロ、義務の情と責任の念と
ハ、経験的自我と純粋自我と(女子は第四に答ふるを要せず)
(管理法)
一、教則に基ける教科用図書の採択上の注意を述べよ
二、地理科、歴史科の主なる教具の種類を問ふ
(教育史)
一、古来外国の文物制度が我国の教育に及ぼしたる影響を簡明に記せ
二、スペンサー氏の略伝及其学説を述べよ
△国語科
(釈義)
一、左の文を解釈せよ
イ、こたみは皆世にゆりたるふるき道のものともなり宮内卿はまだしかるべけれど もけしうはあらずと見ゆめればなむかまへてまろがおもておこすせばかりよき歌 つかうまつれとおほせらる(明らかな誤植は新谷が訂正)
ロ、左の歌の意を解け
 雲はみなはらひはてたる秋風を松にのこしてつきを見るかな
二、左の語句を解釈せよ
1.前栽、2.散文、韻文、3.東鑑、4.金覆輪の鞍、5.脚本、6.婆娑、7.三寸不律を提げて風月を盃盤談笑の間に詠ず 
三、平安朝の文学と鎌倉朝の文学との特徴は如何
四、
イ、単文と複文との区別の例をあげて説明せよ
ロ、過しし、過せし、忍耐しし、忍耐せし、
 右文法上何れが正しきか其理由をもあはせて答へよ
(作文)
一、読書の楽
二、学園の設置に付意見を問合はす
(習字)
一、成大功者不謀於衆(楷書)
二、人のふり見て我がふり直せ(行書と平仮名)
三、写字厳正分明作文簡約切実(楷行草三体) 
四、左の字画を問ふ
女、出、糸、鼠、翰
posted by 新谷恭明 at 11:55| Comment(1) | 研究ノート | 更新情報をチェックする

福岡の自学主義

 今日の全国地方教育史学会では司会を勤めさせていただいた。常盤大学の鈴木和正さんの「明治末期における山口県公立小学校の自学主義教育」が興味を惹いた。山口から先進地福岡の自学主義教育を視察に来ているらしいのだ。
 明治41年に筑豊の炭鉱主等が谷本富を呼んで講演させたのがきっかけで穂波郡あたりに入り込んだらしい。ならばとて、福岡県教育会会報をめくってみた。不幸なことに明治41年の会報は119号(9月15日号)からしかない。100号から118号までが欠けている。しかし、120号(9月28日臨時発行号)は「総会提出 受賞論文」の特集になっており、そこに穂波高等小学校による「自治自学に基ける新教育方案」という論文が掲載されていた。これはすぐに鈴木氏に進呈した。さらに他の号にも目を通してみる。125号に「嘉穂郡教育品展覧会を見る」という記事があり、続けてこの「展覧会を見た序で」に「嘉穂郡穂波高等小学校を観る」という記事があった。126号には「元福岡師範学校訓導岡千賀衛による「自学輔導法大綱」が載っている。128号に韓国京城第一小学校矢野国太郎鳴る人物が「予は未だ一回も谷本博士の著書を通読したことのないなまけものだが、・・・」という書き出しで始まる「自学輔導(?)の実験」なる文章が載っている。この矢野国太郎なる御仁はしばしば本誌に寄稿しており、福岡県教育会との関係が気になるところである。しかも「自学」にこだわっているところが他の記事からも窺えるのだ。
posted by 新谷恭明 at 01:02| Comment(1) | 研究ノート | 更新情報をチェックする