2013年04月25日

修身科指導案(大正15年)

CIMG3827.JPG修身科授業案

とりあえずみっけたのだ。中身はこれ。

修身科指導案      大正十五年十一月十九日
尋五 指導者 三岳寅四郎

一、教材 勇気
二、目的 何事を為すにも困難を恐れず勇気を振つ之を為し遂ぐべきことを教ふるを以     って本課の目的とす

三、徳目に就いて
自分の決断を実行する意志の習慣を養ふことが勇気の徳を養成することの根源となる
而して之を三つの要素に別つことができる 第一己の為さんとする行為に対し畏敬の念を有すること 第二飽くまで初一念を貫徹せんとする強固なる意志 第三、実行に当り心中に起り来る苦痛不安恐怖の念に打克つこと 第一の畏敬の念の有無は軍人勅諭に示された大勇と小勇との別れる所以であらう本課の目的にある「困難を恐れず」は第三の場合に「為し遂ぐる」は第二の場合に相当する
又勇気を其の現れ方に依り二つの方面に区別することができる一つは積極的方面とでも云ふ可き即自分の意志に依り決定した所のものを断行する側に働く勇気。凡ての妨害を排除して実行する方面である他は消極的方面即悪いことをせぬ、誘惑に打克つ(自我の抑制)と云ふ側の勇気である.後者は児童の程度から考へて高尚に過ぎ余程具体的説明に依らなければ其の観念を与ふることが困難であらう 
併し実際生活の方面から云へば前者は重に特殊的の場合に多く現れる意志活動であり後者は実際的な事柄だと思ふ
是等の意志作用の連繋を図示すれば
 積極的方面(断行)    行為に対する畏敬の念
勇気  強固なる意志
消極的方面(抑制) 苦痛、不安、恐怖に打克つ
四、方法
          例話
1、勝安芳が航海術の実地練習   1、例話(既授の)についての回答
  を積んだこと 及省察
2、感ママ臨丸に乗って米国に渡航す 2,既習事項との聯絡
  巻二、第八(臆病であるな)
巻三、第十二(勇気)
3、航海中の困難         3、真の勇気
4、一行の勇気         血気にはやり粗暴の振舞をなすは
5、米人の称讃     真の勇気にあらず
    己の心に打克つにも勇気が必要
4、勇気を養へ(臆病を去る)


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2013年04月17日

2013年度の予定表

2013年度の予定表です。

  2013年4月の予定     2013年10月の予定
  2013年5月の予定     2013年11月の予定
  2013年6月の予定     2013年12月の予定
  2013年7月の予定     2014年1月の予定
  2013年8月の予定     2014年2月の予定
  2013年9月の予定     2014年3月の予定
posted by 新谷恭明 at 13:11| Comment(0) | 予定表 | 更新情報をチェックする

2013年04月06日

道徳教育と人権教育3

 敗戦は言うまでもなく、此の国にとっては大変なショックであった。敗戦国としてどうしたらいいのか、何がよくて何が悪かったのか。そういう判断ができる状態ではなかったのである。「国体護持」などという言葉も当然のように文部省内では達しが出ていたくらいだ。GHQはいわゆる四大指令というものを出して、日本のこれまでの教育にいったんストップをかけた。
 一方、文部省内では従来の修身科教育を見直すべく11月1日に公民科教育刷新委員会を立ち上げた。その「当時(文部)省内の担当官であった勝田守一氏によれば、戦前の歪められた修身教育がもはや通用するはずがないという判断がそこにあったという」(『現代教育史事典』「公民教育刷新委員会」斉藤利彦執筆)事情によるようである。この公民教育刷新委員会は同年末の12月22日に第一号答申を、29日に第二号答申を提出した。
 第一号答申には次のようにある。

 道徳ハ元来社会ニ於ケル個人ノ道徳ナルガ故ニ、「修身」ハ公民的知識ト結合シテハジメテ其ノ具体的内容ヲ得、ソノ徳目モ現実社会ニ於テ実践サルベキモノトナル。従ツテ修身ハ「公民」ト一本タルベキモノデアリ、両者ヲ統合シテ「公民」科ガ確立サルベキデある。
 従来ノ公民科教授要目ハ細目ヲ網羅セントシタ余リ教科書ノ叙述ヲシテ多クハ抽象的定義ノ羅列ニ止マラシメタ。又ソノ内容モ生徒ノ興味ヲ喚起スルコト少ク、教授者トシテ法制経済ニ関スル断片的智識ニ終ラシメル観ガアツタ。

 つまり、道徳は社会における個人の道徳なので、従来の修身は公民的知識と結合しなくてはならない。修身と公民を統合して公民科を作ろう。以前の公民科は教科書が抽象的定義の羅列で法制経済の断片的知識ばかりだった、と読めばいい。
posted by 新谷恭明 at 07:20| Comment(0) | 研究雑感 | 更新情報をチェックする